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#008
Oct-03-2003
マチイ楽器派
   
いよいよ安全地帯コンサートツアー2003が始まります。
今回は約3ヶ月間で全45公演だそうです。随分ハードなスケジュールになっているらしいですが、せっかく全国各地を廻るのだから、コンサート自体だけでなく、その土地土地の空気を感じながら楽しんでいきたいと思っています。
今回の45公演分を足すと、アマチュアの頃から含めて、安全地帯は一体どれくらいライブをやったのでしょうか?何だか凄い数字が出てきそうですね。これからも更にその数字を増やしていけたらいいなと思います。

さて、久しぶりのコラム。何を書こうか悩みます・・・
最近は、コンサートに向けてのリハーサルや、自宅での個人練習&DATチェックの毎日だったので、新しい話のネタが無く、困ってしまいます。
(個人でも、全体でも)練習を沢山やって本番に臨む習慣は、ずっと昔から変わっていません。そして個人的には、練習を積んで、ある程度自信のようなものがついても、本番前にガチガチに緊張してしまうところも変わっていません(笑)

昔々の、確か安全地帯がまだ現在のメンバーになる前の頃の話をしたいと思います。
当時、旭川には、主に2つの練習スタジオ(楽器店)がありました。
大体バンドは、1つのスタジオに通う感じなのですが、その2つの楽器店にそれぞれ出入りしているバンド同士は、何かと張り合っていて、完全に派閥化していました。
僕たちは、それを店の名前にちなんで[マチイ楽器派][クニハラ楽器派]と呼んでいました。
[クニハラ楽器派]は、「音楽はフィーリング!地味に家にこもって練習してるようじゃちゃダメでしょう。酒を飲んで、たくさん遊んで、人生楽しんでこそいい音楽ができるべや!」
反して「マチイ楽器派」、「自分たちの中にある音楽を表現していくには、まず練習をして、腕を磨かなきゃだめだべや。」という感じ。
当時の安全地帯も六土開正バンドも[マチイ派]でした。そんな僕たちは、後に、町外れの一軒家を破格で借りて女人禁制のプライベートスタジオを作り、音楽三昧の生活を送りました。あそこは本当に寒くて、冬の夜なんてあまりの寒さにコーラが爆発する程でした(笑)
話がそれてしまったので、戻します。そのスタジオでの話は、またいつかネタがなくて困った時にすることにしたいと思います。

基本的に[マチイ派]の連中はクニハラ楽器に、[クニハラ派]はマチイ楽器にあまり行かないのですが、欲しいレコードがマチイ楽器に置いてない時は、マチイ楽器より大きいクニハラ楽器に買いに行かなければなりません。
1人で行く時なんかはドキドキもので、知っている[クニハラ派]の連中に会わないようにコソコソ入ってサッと帰るという、かなり挙動不審な状態になってしまいます。
大きさ的にはマチイ楽器は負けていますが、レコードの品揃えのセンスはかなりのものでした。

ある時、どうしてもクニハラ楽器に買いに行かなければいけない事情ができてしまい、当時のメンバー3人位でクニハラ楽器に乗り込みました。
意外なことに、その日店のアルバイトをしていた[クニハラ派]のミュージシャンが随分フレンドリーな感じだったので、話していると、「今日、飲みにいかない?」と誘われてしまいました。少し気おくれしつつも、でも冒険してみようかということになり、僕たちは夜の3・6街(旭川三条通り六丁目)に繰り出しました。
3・6街で早速安い居酒屋に入り、[マチイ]・[クニハラ]両者の対決・・いや、ただの飲み会が始まりました。
音楽を愛する者同士、最初は楽しげな雰囲気だったのですが、だんだんお互いの音楽論的な熱い話になってきました。例によって、[クニハラ派]は「音楽は腕じゃない、心だ」と言い、[マチイ派]は「だけど、その前に腕でしょう」と。
そして、誰だったか、目の前のコップを箸でチーン・・チーンと叩き、僕に、「ホラ。これだって音楽なんだよ。分かるか?」と。・・・何も答えられず・・・。

結局、どちらも行き着く先は一緒なんです。
例え良い腕を持っていても、いい音楽が生まれてこなければ全く活かされないし、逆に、いい音楽が思い浮かんでいても、それを表現するだけの腕がなければ伝わらない。
しかし、音楽を志す人たちが、同じ夢を見て、その理想と現実のギャップを埋めようと試行錯誤しながら、仲間やライバルと感性をぶつけ合って高めあっていくことは意味のあることで、熱くぶつかり合った僕たちは、本当に純粋に音楽を愛していたんだと思います。
   
10/03/2003: Yutaka Takezawa@Tokyo
   
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